🗓️ 2026.01.06
いつも通りの朝
火曜日。いつも通りの朝。
ちび武士と一緒に家を出て、並んで歩く。日常の何気ないこの散歩が、今の僕にとってどれほど大切な癒やしになっているか。
08:05、勤務先へ到着。
午前中は落ち着いて事務作業を進めることに。木工資材や給排水資材、トイレの衛生管理資材など、必要な物資の調達資料を作成していく。今日はこのまま、のんびりとデスクワークで終わる予定だった。
しかし、現場に「予定通り」はない。
歯科から「空調の吹き出し口からゴミが出てくる」と急ぎの依頼が入った。
調査した結果、エアハンドリングユニットやダクト内部に原因があるようで、根本的な解決には大規模な工事が必要になる。今すぐには難しい。そこで、網戸を重ねて「自家製フィルター」を作成し、吹き出し口に設置。なんとか急場をしのぐ改善を施した。
現場にあるもので、最善を尽くす。
それが僕の仕事の矜持だ。
玄関を開けた瞬間の幸せ、そして暗転
定時で仕事を切り上げ、帰宅。
玄関のドアを開けると、ミルク将軍がタタタッと走って迎えに来てくれた。
「今日も一日、幸せだな」
そう噛み締めていたのも、束の間だった。
夕食前、嫁っちのスマホに中学校から電話が入った。
嫌な予感がした。横で話を聞いているうちに、その予感は最悪の形で的中した。
エイリアン王子が、また万引きをしたという。
本人を呼び、事実を確認した。
彼は事実を認め、何かを話していた。けれど、今の僕には彼が何を言っているのか、その言葉の真意が全く理解できなかった。
繰り返される過ちと、親の無力感
僕が把握しているだけでも、これで4回目だ。
1回目の時点で被害届が出ており、家庭裁判所への送致が決まっている。3回目の時には、警察署で「次は保護観察だけでは済まないかもしれない」という話も聞いていた。
「全然、反省していないじゃないか」
そんな思いが頭をよぎる。けれど、怒り狂う気力さえ湧いてこない。
どうすればいいのか、本当にわからないんだ。
考えれば考えるほど、精神的なダメージが深く刺さってくる。今はただ、考えないように努め、粛々とこの現実を受け入れることしかできない。
嫁っちも、おそらく同じ心境だろう。
お互いに息子を問い詰めることも、激しい説教をすることもない。
ただただ悲しく、ショックで、静かな時間が流れた。
心に沁みる「あったかい豚汁」
そんな沈んだ空気の中でも、夕食の時間はやってくる。
今夜、嫁っちが準備してくれていたのは、具だくさんの豚汁だった。
熱々の豚汁を啜る。
その温かさが、冷え切った体と、傷ついた心にじわじわと染み渡っていく。
「美味しいな……」
ボロボロの状態でも、味覚は生きている。この温かさに救われている自分がいる。
今は答えが出なくてもいい。
明日もまた、現場のトラブルを解決し、家族のために稼がなきゃいけない。
泥水を啜るような日もあるけれど、今夜はこの豚汁の温かさを信じて、眠りにつこうと思う。
📝 今日の発見メモ
心理学の視点:適応的解離
- 「考えたくない、考えないようにしている」のは、心が壊れないようにするための正常な防衛反応(適応的解離)らしい。無理にポジティブになろうとせず、今夜のように「温かいものを食べる」「寝る」という生理的な安心を優先するのは、最も賢い選択。
孫子の兵法:九地篇「死地には則ち戦う」
- 孫子曰く:「死地(しち)には則(すなわ)ち戦う」
- (逃げ場のない絶体絶命の地では、覚悟を決めて戦うしかない。)
- 今の状況はまさに「死地」。けれど、ここで言う戦いとは息子を攻めることじゃない。この過酷な状況下で「自分たちの生活を維持し、心を折らないこと」
ライオン視点(論理・行動)
- 現場の即応能力: 資材が足りない中で「網戸フィルター」を自作する。限られた条件で最善を出す、プロの課題解決能力。
- 冷静な現状把握: 感情に流されず、送致の事実や過去の経緯を冷静に整理
うさぎ視点(感情・共感)
- ミルク将軍の笑顔: 玄関での「おかえりハグ」が、どれだけ救いになったことか。
- 夫婦の沈黙: 言葉にならない悲しみを共有する夫婦の姿。お互いを責めないその優しさが、最後の砦
バランス(どう整えた?)
- 仕事での「成功(水栓・フィルター)」と、プライベートでの「試練(息子の問題)」の対比。
絶望一色に染めず、最後を「豚汁の温かさ」という五感の幸せが「救い」
まとめ:一歩ずつ、泥の中を歩く。
自家製フィルターでゴミを食い止めるように、
僕も今、家族に降りかかる困難を必死に食い止めようとしている。
完璧な解決策は見つからない。
でも、今夜の豚汁が美味しかったことだけは、嘘じゃない。
明日もまた、朝が来る。
粛々と、自分にできることを積み重ねていこう。

