🗓️ 2026.01.08
いつもの朝
いつものようにちび武士と一緒に家を出る。
けれど、出発してすぐに「やっぱり友達と行く」と、彼は手を振って走っていった。
少し寂しい気もするけれど、これも成長。息子たちの背中が少しずつ遠くなっていくのを感じながら、僕は自分の戦場へ向かった。
08:00、勤務先の医療施設に到着。
今日は建具補修に伴って一時的に外していた誘導灯の復旧作業、そして資材調達のための資料作成。
現場の安全を守るためのルーティンを淡々とこなし、少し残業をして19時半ごろに帰宅した。
嫁っちの覚悟。サンエーへの謝罪。
僕が仕事をしている間、嫁っちはもう一つの「現場」で戦ってくれていた。
エイリアン王子は腹痛を訴えて学校を休んだが、受診後、彼女は彼を連れて万引きの被害店舗であるサンエー(コンベン、メイン)の2店舗へ謝罪に向かってくれた。
僕も一緒に行くつもりだったが、「一刻も早く謝罪したい」という彼女の強い意志に頭が下がる思いだった。
各店舗の店長さんは、本人をしっかりと叱ってくれたという。
何が悪いのか、どれほど多くの人に迷惑をかけているのか。親以外の大人からの厳しい言葉が、今の彼には必要だった。
「あと何回、謝ればいいのだろう」
盗んだものの弁償を済ませ、正式に「出入り禁止」の通告を受けた。
これで、彼が犯した罪のけじめの一歩はついたのかもしれない。
息子の犯した罪を、親が肩代わりして頭を下げる。
それは親として当然の義務だと思っている。
けれど、心のどこかでどうしても拭えない問いが、暗い水底から浮かび上がってくる。
「あと何回、謝ればいいのだろう」
1回目、2回目、3回目……そして今回。
そのたびに僕たちは頭を下げ、光を探してきた。
けれど、彼が本当に罪を理解し、自分の足で正しい道を歩き出す日がいつ来るのか、今の僕にはまだ見えない。
粛々と、現実を繋ぎ止める。
夜、家の中には静かな時間が流れている。
どんなに心が削られても、明日の仕事は待ってくれない。
どんなに情けなくても、僕は父親としてここに立ち続けなければならない。
謝罪の言葉を重ねるたびに、僕たちの心は薄く、硬くなっていくような気がする。
それでも、彼を完全に見捨てることはできない。
今はただ、この重い現実を一つずつ、噛み締めながら受け入れていくしかない。
📝 今日の発見メモ
心理学の視点:代理謝罪と「本人の責任感」
- 親が謝罪に同行し、頭を下げる姿を見せることは、子供に「自分の行動がどれほど周囲を傷つけるか」を視覚的に理解させる教育的効果があるという。でも、僕が感じている疲弊感は「学習性無力感」に近い。すべてを自分たちの責任と思わず、店長さんのように「社会の厳しい目」に彼を触れさせ続けることが、今の彼には必要な薬になると思う。
孫子の兵法:始計篇「道とは、民をして上と意を同じくせしむるなり」
- 孫子曰く:「道とは、民をして上と意を同じくせしむるなり」
- (「道」とは、下の者が上の者と同じ志を持つようにすることだ。)
- 今、家族の中で一番難しいのは、長男に僕たちと同じ「道(更生の志)」を持たせることだ。今はまだ噛み合っていないけれど、嫁っちが今日見せた「誠実な謝罪」という背中は、いつか必ず彼の中に正しい道の指標として残るはず。
ライオン視点(論理・行動)
- 迅速な事後処理: 被害店舗への即日謝罪。法的・社会的なペナルティ(出禁・弁償)を確定させ、事態の拡大を防いだ。
- 役割分担の遂行: 嫁っちが謝罪を担う間、僕は仕事を完遂し経済的基盤を守る。極限状態における、冷静な機能分担。
うさぎ視点(感情・共感)
- 母の強さ: 一人で息子を連れて謝罪に行った嫁っちの勇気。その孤独な戦いを思うと、胸が締め付けられる。
- やり場のない問い: 「あと何回……」。その言葉に込められた絶望感
バランス(どう整えた?)
- 仕事という「日常」と、謝罪という「非日常」を対比。
救いのない問いを投げかけつつも、店長さんの叱責という「社会の機能」
まとめ:泥を被りながら、前へ。
サンエーの店長さんの言葉が、長男の心に一滴でも届いていることを願う。
僕たちの仕事は、終わらない。
頭を下げ、泥を被り、それでも明日への「稼ぎ」を止めない。
そうやって、この家族という船を沈ませないように漕ぎ続ける。
「あと何回」なんて、数えるのはやめよう。
次に進むために、今、目の前の一歩を刻むだけだ。

